そもそも緊急事態宣言とは何か
こんにちは。
コロナウイルスの感染拡大に伴い、再び緊急事態宣言が発令されようとしていますね。一刻も早くコントロール可能な感染症になることを祈ります。
さて、ところで「緊急事態」って何のことでしょうか。この宣言はどんな時にどんなタイミングで発令されるものなのでしょうか。
緊急事態宣言の根拠
そもそも緊急事態宣言とは、新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づいています。
これは簡単に言うと、「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある」かつ、「全国的かつ急速な蔓延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある」、この二つの条件が満たされる場合に「緊急事態を宣言できる」というものになります。
新型インフルエンザ等対策特別措置法とは
したがって、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言ですが、そもそもは新型インフルエンザに対して作成された法律を根拠としています。
そもそもこの法律が制定されたきっかけは2009年のH1N1型インフルエンザの流行でした。この時の混乱を踏まえ、2012年5月に制定されました。
その後、新型コロナの拡大に伴い、2020年3月に新型コロナウイルスをこの特措法に適用できるように改正が行われました。
前回(2020年4月7日~5月25日)の宣言とは
4月7日に東京と、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都道府県に対して出されました。その後、4月16日には全国に拡大されました。
その後5月25日に宣言が解除されました。
今回(2021年1月8日~2月7日予定)の宣言とは
発端は1月2日に東京都の小池都知事が提案し、埼玉、神奈川、千葉の県知事が賛同するという形で4都県が政府に緊急事態宣言の発令を要請したことです。
年末年始にかけて日本のCOVID-19患者は増加の一途をたどっていました。11月5日に全国での新規感染者が第2波以降初めて1000人を超えました。その後12月に入ると2000人を超え、12月31にはついに4000人を超えてしまいました。
そして現在、1月6日では新規感染者数が6000人を突破してしまっています。
全国でも特に東京都の感染者数がとびぬけて多く、本日ついに1600人を超えてしまいました。
このような感染者数の増加を踏まえ、緊急事態宣言の発令を政府に要請しました。
前回との違い
前回との違うところはどこなのでしょうか。
前回は全国に拡大されましたが、今回の宣言は東京、埼玉、神奈川、千葉の4都県のみに発令される予定です。
また、前回は不要不急の外出を控えるよう強く推奨されたのに対し、経済への影響を最小限に抑えるため、限定的な措置のみを講じることにする模様です。
具体的には飲食店の営業時間短縮要請などです。
さらに、実効性を確保するため、法令を改正し、営業時間短縮要請に応じなかった店舗名を公表できるようにすることも検討されています。
その他、学校の休校も要請せず、本年度より開始される共通テストも予定通りに行われる方針のようです。
まとめ
緊急事態宣言はもともとインフルエンザがきっかけで制定された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて発令される、国民の生命・健康・生活・経済を守るための宣言である。
最後に
ちなみに、発令方法は前回と同じく、宣言の内容を記載した官報を国立印刷局(東京都港区)の掲示板に張り出すことのようです。
前回は発令されてからメディアに出るまで10分ほどのブランクがあったようですが、今回はどうなるのでしょう。
参考文献
厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症について 国内の発生状況など」
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html
法律事務所シリウス 「緊急事態宣言とは」
http://www.sirius-law.com/news/20200414/1897/
NHK 「「緊急事態宣言」が発効 7都道府県に 新型コロナ(2020年4月8日0時03分)」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200408/k10012374141000.html
NHK 「7日緊急事態宣言 前回とどう違う2021年1月5日21時28分」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012798581000.html